
DTIとrinna、Project TRINAのパイロット版を正式に発表
フィリピン初の政府運営AIアバターによる市民支援サービスが始動
フィリピン貿易産業省(DTI:Department of Trade and Industry)は、AI技術パートナーであるrinna株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役:宋 珠憲、以下rinna)と連携し、AI搭載バーチャルアシスタント「Project TRINA」のパイロット版を正式に公開しました。本プロジェクトは、包摂的でアクセスしやすく、正確な公共サービスの提供を目的として開発されています。
Project TRINAは、国民向けの支援を目的としたフィリピン初の政府運営AIアバターであり、デジタル変革の重要なステップとなります。本取り組みによりフィリピンは、政府の応答性・透明性・サービス品質の向上を目指させ、先進的なAI技術を導入する各国の仲間入りを果たします。
本システムを通じて、フィリピン国内の利用者は、場所や時間を問わず、テキストまたは音声対話型のインターフェースを介して信頼性の高い政府情報にアクセスできます。TRINA は、データの正確性・信頼性に関する政府の基準を満たすようにカスタマイズされた rinnaの「Virtual Human Talk」サービスを活用しており、国民がその機能を探索し、責任ある人間中心の AI が公共サービスを置き換えるのではなく、どのようにサポートできるかを体験する機会を提供します。
■ 人々のために設計され、人々と共に成長するAI
TRINAは、継続的に学習・成長することを前提に開発されており、今後も定期的なアップデートを通じて知識やコミュニケーション能力を向上させていきます。AIが適切なデータと価値観に基づき責任を持って成長していく姿を、国民が目に見える形で実感できるよう設計されています。
現在のパイロット版では英語とタガログ語に対応していますが、今後のアップデートにより、地域の言語や方言への対応も計画されており、言語的多様性のあるフィリピン全体でのデジタル包摂を目指しています。これは、「誰一人取り残さないデジタル社会」というTRINAの中核的な理念を反映しています。
■ 大統領が掲げる責任あるデジタル変革の実現へ
Project TRINAの開始は、フィリピン政府が大統領の掲げるデジタル変革ビジョンを具体的に推進していることを示す代表的な事例です。AIを慎重かつ責任を持って活用することで、技術と共感、正確性、公共サービスが融合する新しいガバナンスの形が示されています。
TRINAは仕事を奪う存在ではなく、政府職員の業務を支援するツールです。日常的な問い合わせ対応の負担を軽減することで、職員がより重要で複雑な業務に集中できるようになります。これは、AI技術が問題の一部ではなく、解決策の一部となることを示す具体例です。
■ なぜ今「責任あるAI」が重要なのか
AIに関する議論が世界中で進む中、Project TRINAは、慎重で透明性があり、実用性を重視したAI導入のモデルを提示します。こうした取り組みが今求められる理由には、以下のような点が挙げられます。
・公平な情報アクセス:TRINAは遠隔地を含む全国の住民に政府情報を提供し、すべてのフィリピン国民に平等な機会を与えます。
・リソースの有効活用: AIが基本的な問い合わせを効率的に処理することで、人的リソースを重要な業務に集中させることができます。
・地域の価値観に根ざした設計:フィリピンのデータと文化をもとに構築されたTRINAは、安全性と信頼性を保ちながら現地に適した対応を実現します。
・人々に導かれるAI:実際の利用者からのフィードバックを通じてTRINAは進化し、政府におけるAIが「人々のために、人々とともに成長する」ことを保証します。
Project TRINAのパイロット版が正式に公開されたことを受け、DTIとrinnaはすべてのフィリピン国民に本プラットフォームを体験していただきたいと考えています。デジタル技術が行政を強化し、国民が力を得て、信頼を築いていく未来に向け、一つ一つの対話を通じ共に築いていきたいと願っています。